「ガニマタ賛歌」において、カテリーナは「フランスのお薬」と称する媚薬をシヌノラに使います。
媚薬を入れられ、2人の男(カテリーナの護衛)に犯されたシヌノラは、黄色い猿(トチローとハーロック)を忘れるほどの快楽を得るはずでした。
しかし、実際にはシヌノラは躊躇無くトチローとハーロックのピンチに駆けつけ、自分を犯して夢の世界を体験させたはずの2人の男を即座に射殺しています。
なぜ媚薬は効かなかったのでしょうか?
舶来品にはプレミアが付くが…… §
ここで注目すべきは「フランスの」という形容詞です。
これは、先進的な文明国からわざわざ取り寄せた凄いもの……というニュアンスがあるのでしょう。
フランスとアメリカは遠く、まして西部は東部以上にフランスからは遠いと言えます。その距離によって生じる付加価値は絶大でしょう。
それを考慮すれば、カテリーナにとってこの薬は「滅多に見ることすらできない必殺武器」という位置づけだったとしても不思議ではありません。
シヌノラがフランス亡命貴族第4世代だとすれば…… §
「タタンダールとシヌノラの関係・驚愕の父娘近親相姦説の根拠は何か?」等で出した「シヌノラはフランス亡命貴族第4世代」という仮説が正しいとすれば、シヌノラから見たフランスは遠い異国ではありません。自分はそこに住んでいないとしても、祖先はそこに住んでいた場所です。そして、いずれは戻るという願望の元で、亡命貴族達はフランス的な文化を維持した生活を続けていたはずです。それを行うためには、継続的にフランスから様々な商品を買い込む必要が生じます。
そして、性に熟達した亡命貴族達の夜の遊びを彩るために、フランスから購入される商品の中に、媚薬が含まれていたとしても不思議ではないでしょう。更に、性に対する興味を持つ世代のシヌノラがそれを手に入れて試してみる機会もあったことでしょう。
更に言えば、もしそれが有効な薬であれば、シヌノラの身体に繰り返し使われた可能性もあり得ます。おそらく、日常的に消費できる程度の「当たり前」の薬であったはずです。
結論 §
カテリーナにとっては非常に珍しい「必殺技」となる媚薬も、シヌノラの立場からすれば何度も使ったことがある当たり前の薬でしかない……という状況はあり得そうです。
シヌノラのまんべんなくお見事な身体を見たときに、媚薬が通用しない可能性に気付くことができないあたりが、カテリーナの精神的な幼さなさ、あるいは視野が狭い田舎娘の証明なのでしょう。