早名礼子の立場には1つの屈折があります。
まず、以下のことがいえます。
- 金持ちである
- 金持ちの家の娘である (非嫡出子の可能性はあるが認知はされている)
しかし、金持ちの娘であればそれなりに「家」に配慮して周囲がいろいろと気を回すはずです。
ですが、飲んで騒げば首つり荘のみんなと一緒に豚箱に放り込まれます。
従って以下のことが言えます。
かといって、警察から見て対極にある裏社会で尊重されているとも言えません。たとえば、話を付けに暴力団に行けば、即座に身体で損害を補填するためにエロ撮影のモデルに使われてしまいます。
従って以下のことが言えます。
つまり、金持ちであるにも関わらず、早名礼子は表社会からも裏社会からも尊重されない立場であるといえます。これは、早名礼子のみならず、早名礼子の父親や彼の家そのものが尊重されない立場であると考えられます。娘の問題を扱う際には、常に父親の立場が配慮されるからです。仮に娘がどれほど尊重するに値しない内容であろうと、怒った父親や親族と向き合うのは面倒であるからです。
条件を満たす職業は何か §
このような条件を満たす職業はいろいろ考えられます。
しかし、2号・妾専用マンションの存在が許容されていることから考えて、この職業は「性風俗産業」であると解釈するのが妥当なところだろう、と考えられます。ただし、直接性的なサービスに手を下す立場ではなく、経営者の立場であると考えられます。
この解釈は、どのような家の娘であるかを知った上で早名礼子を以下の行為の対象にできる明快な根拠を示してくれる、という点で魅力があります。
- 警察が権力を誇示する対象として即座に扱うことができる (性風俗は警察には頭が上がらない)
- 暴力団が即座に性風俗的な手段による損害補填の対象として扱うことができる (性風俗は暴力団には頭が上がらない。あるいは暴力団の傘下の金儲けの手段と位置づけられる)
早名礼子の母親と育った環境 §
早名礼子の父親が性風俗産業の経営者であると想定すると、早名礼子の母親は傘下で働く美女として妾にされた状況も推定できます。
このように考えると、早名礼子が育った環境は以下のようなものであると想定できます。
- 母親自身が性風俗の仕事から足を洗って妾になったとしても、性風俗関係者が身近に多くいる
- 母親の友達となる者達の多くも、性風俗の関係者であろう
- 従って、早名礼子自身が性風俗に従事していないとしても、礼子自身の友達が性風俗関係者であることも多いだろう
- このような環境下では、問題解決の手段として身体を性的に使う方法論が、ごく自然な当たり前の行為として通用していることもあり得るだろう
これらのことは、早名礼子の以下の状況を説明してくれるという意味で魅力のある解釈です。
- 2号や妾を大マンションの住人として集めることができる
- 友達にバーのママがいる
- 問題解決に反射的に身体を使う方法論が染みついている
更に、初恋の相手が詐欺師まがいの男であることも、このような環境と関係するかもしれません。