2009年04月23日
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「聖凡人伝」と「男おいどん」「大四畳半物語」「ガンフロンティア」の関係

Written By: オータム連絡先

「聖凡人伝」と「男おいどん」「大四畳半物語」の関係 §

 松本零士の代表的な「四畳半もの」としては、「男おいどん」「大四畳半物語」「聖凡人伝」の3作があげられるようです。

 その中にあって、主人公のチビでガニマタの青年が、特定の美女と相思相愛の関係を持ち続けるという点で「聖凡人伝」は特異的であると言えます。

 逆に、1人のヒロインが多数の男から犯されまくるという点で言えば、類似作品は「ガンフロンティア」であり、「男おいどん」「大四畳半物語」とは似ていないとも言えます。

「聖凡人伝」と「ガンフロンティア」の関係 §

※ 以下の数字はネットサーフィンによって拾い上げた数値なので、正しくないかも知れないことに注意

 聖凡人伝は1971年~1973年に『漫画ゴラク』(日本文芸社)に連載。

 ガンフロンティアは1972年~1975年『プレイコミック』(秋田書店刊)に連載。

 従って、以下のことが言えます。

  • 聖凡人伝が先行している
  • 聖凡人伝の中盤期にガンフロンティアが開始されている
  • オーバーラップしている連載期間がある

 たとえば、聖凡人伝では途中から松本零士が得意とするベタの多い黒いコマが増えていきますが、ガンフロンティアはそのような表現が完成形として最初から大々的に使用されています。

 また、早名とシヌノラの服には、胸許のデザインなどに共通点が見られます。しかし、早名の服は黒が基本であるのに対して、シヌノラの服は白が基本であるといった差異も見られます。これは、ベタを多用した背景にでは黒い服は見えなくなってしまうため、シヌノラでは表現を改善したとも解釈できますが、定かではありません。(後にメーテルも999は宇宙のベタが多いにも関わらず、黒い服を着る女性としてデザインされている)

 従って、聖凡人伝には試行錯誤的な側面が含まれるが、そこで得られた成果は完成形として最初からガンフロンティアに使われている、という解釈もできます。

聖凡人伝

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