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物欲博物館 東芝 15X47


Toshiba 15X47

1999年10月11日撮影

最終更新: Mon Sep 12 15:30:05 2011


 ここは、東芝製のテレビ15X47の思い出を記すページです。


記録

経緯

 自分の金で買った最初のテレビである。テレビというより、本来は、SONYのパソコン、SMC-777Cのモニター用として購入したものだ。本来なら、21pinアナログRGB入力だけがあれば良かったのだが、それだけの手頃な機種が無く、モニターではなく、21pinアナログRGB入力付きテレビを購入した。

 この金の出所は、ENIXプログラムコンテストの賞金であった。この賞金は、自力で稼いだ最初のまとまったお金だった。

 13年以上毎日のように完動していたが、とうとう同期信号が合わなくなり、うまく映らなくなってしまった。おそらく、修理に出して直しても他パーツの寿命は長くないと考え、修理は断念して、別モニターへの置き換えを行った。

感想

 SMC-777Cのモニターとしての性能は、実は今ひとつであった。輝度が高くなると、一部色が焼け付くような感じに狂うケースがあった。また、横640ドットの画面モードにすると画像が甘すぎた。

 しかし、テレビとしての性能に関しては、非常に優秀であった。安定した品質の良い画質は、安物とは一線を画していた。音声がモノラルであること(音多チューナーも内蔵していない)という点を除けば、利用していて、不満は何も無かった。ただし、サイズの小ささは問わないと言う前提だ。部屋のサイズから、これ以上大きなテレビの導入が現実的ではない以上、事実上不満点にはならないと言える。

 モノラルであるという点については、後から、ミニアンプとミニスピーカーを購入し、ビデオデッキやLDプレイヤーからの音声はそちらに流すという方法で解決した。テレビ内蔵チューナーで見るときはステレオにならないが、ステレオでテレビが見たければ、ビデオデッキの内蔵チューナー経由で見れば良いので、さして問題ではなかった。

 ビデオ入力が1系統しかない点は、それほど問題ではなかった。現実問題として、3系統程度の入力でまかなえる数のビデオ機器ではないので、どのみちセレクターが必用なのである。

 フロントのポケットの扉が壊れてしまったのは痛恨のミスだが、力が掛かれば壊れるのが必然という構造なのでやむを得ない。しかし、無くてもさして問題ではないと感じた。

 オンタイマーは、目覚まし代わりに活躍した。使いやすい良好な機能だった。同等機能のないテレビが多いのは悲しい。

 時折、テレビをつけていて、テレビを見ていないときに、勝手に電源が落ちることがあった。原因は分からない。

写真

前面

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右側面

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背面

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左側面

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底面

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正面右下部のクローズアップ。上の右側はリモコンのポケット。ポケットにリモコンが収納されるのは、リモコン紛失を防ぐ良いアイデア。上の左部は赤外線受光部。下側は、右から、主電源、チャンネル上下、音量上下、テレビビデオ切り替えの各スイッチ。スイッチ類は、傾斜が付いていて、非常に押しやすかった。

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リモコンの底部を押してポップアップさせたところ。このまま引き出して使う。使い勝手は良好。

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リモコン。ボタン類は多すぎず、サイズも妥当、非常に使いやすかった。

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リモコンの上部のカバーをずらしたところ。オンタイマーと、オフタイマーの設定機能があった。タイマー設定は簡単で使いやすかった。

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リモコンの底部。電池カバーを開いたところ。電池は単3が2本だったが、特に重さを意識したことはない。他の機器で使えなくなった電池を入れても動作したので重宝した。

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前面下部の中央部。本来は、開閉式のカバーが付いていたが、変な力を入れたら取れてしまった。普段は使わない調整つまみが中心だが、右端の電源スイッチだけは違う。これは主電源ではなく、リモコンの電源ボタンと同等の機能を持ったボタン。つまり、通電状態でテレビのオンオフを切り替えるボタン。このボタンはけっこう多用したので、カバーが無い方が便利だった。

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前面下部の中央部の内部、その内にあるカバーを外したところ。チャンネル設定機能がある。さすがに、ここを使うことは滅多になく、触れないようにカバーがあるのは適切な設計と言える。

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背面、各種接続コネクタ類。上からアンテナ入力、映像とモノラルの音声入力(注:この時代にはまだS端子は存在しない)、映像出力と音声出力、今となっては詳細不明の電源供給コネクタ、21pinアナログRGB入力。ちなみに、21pinアナログRGB入力はマルチメディア機器を接続するための本命のインターフェースと言われていたもの。当時のパソコンはまだ8pinデジタルRGBばかりで、8色が上限だった。21pinはもちろんアナログなので、自然な発色が可能だった。しかし、パソコンのアナログRGBはPC-8801mk2SRの採用した15pinアナログRGBが主流になって、21pinはあまり流行らなかった。

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背面の刻印その1

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背面の刻印その2

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背面の刻印その3

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前面ガラスは容易に取り外すことができた。画質が落ちてきたなと思ったら、これを外して、ガラスとブラウン管表面をディッシュなどで綺麗に拭いてやると、べっちょりと汚いものが付着した。そして、掃除後はまるで新品のような新鮮な発色が得られた。おかげで、画質に不満が出てきても買い換えるという発想に行くことはあまりなく、掃除すれば充分に不満が解消できた。これは、本機の基本性能の高さゆえだろう。

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粗大ゴミの回収カードを貼られ、SHARP 14M112Cと共に回収を待つ本機。さようなら、そして、ありがとう。本機は、私のAVライフのベースを支えた名機だった。

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作成:川俣 晶
電子メールアドレス/ autumn@piedey.co.jp