ここは川俣晶のウェブサイトの[旧館]にあたります。[新館]としてオータム マガジン川俣晶の縁側があります。

そもそもの考えの発端


最終更新: Mon Sep 12 15:30:15 2011


日本が気に入らなければ他の国に住め

 昔、「日本が気に入らなければ他の国に住め」と言われたことがある。この言い方に、大きな違和感を感じた。日本に生まれ、日本に住む日本人が、自分の住んでいる国に問題を感じたら、他の国に移住するべきなのだろうか?

 これは違うと私は感じた。これでは、内部からの改革を一切封じてしまうようなものだ。そんな国が、まともに運営できるはずがない。実際に、日本に生まれ日本に住んでいる日本人が、様々な改革や改善に努力しているのは、普通の風景である。

 これは、現在のような不景気な状況だけに限ったことではない。好景気の時でも、様々な努力が行われていたのは、紛れもない事実だ。

 とはいえ、事実として、私のような人間にとって、日本が住みやすくはないのも事実だ。単純にビジネスの成功という意味で考えれば、アメリカにでも移住した方がずっと良い環境が得られる。実際、「アメリカに行った方がいいよ」とアドバイスしてくれる人もしばしば現れる。

 だが、そのような考えを単純に受け入れることができないのだ。日本を離れることに、あまり積極的になれない。とはいえ、これは愛国心と言うわけではない。日本が愛するに足る国であるか、という問いに対しては、かなり否定的な意見を持たざるを得ない。だが、だからといって日本を無視することもできない。

 むしろ、大上段に振りかぶって言えば「日本を何とかする」というテーマが気になっている。日本という国を、よりマシにするために何ができるだろうか、というテーマがいたく気になっているのである。

「元栓型改革論」という方法論について

 単純に「日本を何とかする」と言っても、力ずくで何かを強制したところで上手く行くはずもない。それ以前に、力など持っているはずもない。

 私の考えはシンプルである。まず、「物事には原因と結果がある」と言うのが前提だ。そして、「原因に遡って修正を施すことによって結果を変える」ことができるのではないかと考えている。そして、原因はごく小さなものであり、これを動かすことは難しくないであろう、と考えている。もちろん、考えているだけで、これが正しいかどうかは分からない。

 取り敢えず、この「元栓を捜してそれを閉じる」という戦略は、膨大な資産だの、強大な軍隊など無くても現実的に実行可能であるという意味で、私は気に入っている。

 しかし、この戦略は、日本なるものを、建前論抜きで、現実の姿形として正しく把握しなければ、機能しない。原因となる元栓ではないものをいくら閉めても期待する結果は得られない。そして、この世は複雑であり、一見元栓のように見えるものが山ほどある。

 従って、この戦略を実行するということは、99.999...%までが勉強に費やされることになる。つまり、正しい元栓を探し当てることが、成功の要因のほぼ全てと言っても良いぐらいである。

 つまり、これらの一連のページは、日本を変えるための処方箋ではなく、勉強の過程のメモである。そういう意味で、過大な期待をしてはならない。


「我々の住む日本というものを考える」の目次へ戻る


QUICK MENU: [新館] / [旧館] Official→ [表紙] [著作] [旧館] Private→ [鉄道] [模型] [3DCG] [音楽] [写真] [日記]


autumn banner
作成:川俣 晶
電子メールアドレス/ autumn@piedey.co.jp