シヌノラというキャラは驚くほど寛容な性格で、多種多様な男からのセックスをほとんど好意的に受け入れています。
しかしながら、暇さえあればハーロックとセックスしているのに、トチローとのセックスは数えるほどの回数しかしていません。
それにも関わらず最終話でシヌノラはトチローの子を産む決意をしています。
この矛盾を解くための仮説を考えてみました。
前提 §
この時代、人種差別は当たり前に存在しました。
そのため、白人っぽい見た目のハーロックは受け入れられてもトチローは受け入れられなかったという前提は無理がないでしょう。
実際、2巻ぐらいまでのシヌノラは【イエロークリークに風が吹く】での肉体調査的なセックス、【女医サン・ダウナーズ】での空腹時のフェラチオぐらいでしかトチローとしていません。
転換点はどこか §
とすれば、どこかでシヌノラの意識が変化する転換点があったことになります。
それは、白人or白人っぽい男(ハーロック)以外とのセックスでしょう。
当時の黄色人種はどちらかといえば人よりもペットの近い存在だと思うならば、【ウエモンの呪い】のポチとのセックスは十分に転換点の候補になります。
もう1つ【チカメとクマと女と穴だけの町】の案内人(女)も候補になりますが、こちらはあまりトチローとの接点がありません。
犬とトチローの立場が似ているとは言えても、女とトチローの立場が似ているとは言えません。
そこで以下の仮説を立てました。
- シヌノラはポチと交わることで、トチローを受け入れるよう気持ちが変化した
仮説の検証 §
仮説を検証してみました。
事件後にシヌノラがトチローに「本当に大変な事になる所だった」と言っているのは、「犬を愛してしまうところだった」という意味ではなく、「トチローを愛してしまうところだった」という意味でしょう。ここでトチローにそれを語っているのは意味深で、シヌノラはトチローを意識したということになります。
また実際にポチに犯されているときにシヌノラが叫ぶ名前はハーロックではなくトチローです。これはトチローに助けを求めているというよりも、犬とトチローがだぶっていたと解釈すると良さそうです。
実は、この後シヌノラが日本人ないしトチローを好意的に受け入れる描写が増えていきます。次の【宿命の大弩近眼】ではタローを受け入れています。どこまでやったのかはコマ数が少なくはっきりしませんが少なくともタローをフェラチオしています。1つ飛んで次の【婦女暴行強姦全裸絞殺魔】では家族も同然ということを証明するために、白昼堂々とトチローとベッドに入ります。少し置いて【ジャマシティのマッチロック】では日本人を装った白人男達に誘拐されて輪姦されます。そして更に数話置いて最終話でトチローの子を産む決意を告白します。
まとめ §
シヌノラから見たトチローは番犬のような存在で、強く頼れるが犬です。
それに対してハーロックはシヌノラから人扱いされています。
その後、ポチとの経験を経て「セックスが立派であれば犬を受け入れても良い」という事実を学び、日本人ないしトチローがセックス相手に昇格しました。
最終的に命がけで海を渡ろうとしているトチローの子を産んでも良いとすら思える状態になります。
以上はこの仮説のまとめです。
オマケ §
とすれば、ページ数が少ない終盤は説明足らずです。
シヌノラの心情の変化はあまりよく描かれていません。
タローは、非常に重要な役回りのキャラであるはずですが、「日本人と気付かず殺して御免よタロー」という話にしかなっていません。