2000年4月16日撮影
最終更新: Mon Sep 12 15:30:05 2011
ここは、SONY製のビデオデッキEV-S350の思い出を記すページです。
これを購入するまでは、ビデオ録画にはVHS方式のビデオデッキ(NV-880HD等)を使用していたが、さすがにテープの保管場所が馬鹿にならない状況になっていた。それと同時に、就職により比較的収入にゆとりが出てきたため、多少コストが割高になっても何とかなる目処が立っていた。そこで、当時利用可能だった各種方式を比較検討した結果、据え置き型の8mmビデオが利用できるのではないかと考え、試験的に購入したのがこのEV-S350である。
これだけコンパクトでも何とかなると考えた根拠は、テープの材質にある。VHSは酸化鉄テープを使っているが、8mmビデオはメタルテープを使用している。そのため、コンパクトでも情報量はそれほど落ちないと推測したためである。
利用実績はたいへん良好であったが、メカ的な寿命は短く、事実上1〜2年程度しか稼働していない。最初にへたばった時に修理を呼んで直してもらったが、確かに交換した部品が良くなったが、全体的に動作が不安定になってきて、運用から外してしまった。
一応、互換用に居間に置いていたが、ほとんど出番はなかった。事実上使い物にならないので、PS2を入れる場所を確保するため廃棄を決定。
特筆すべきは基本性能の確かさと、ダビング性能の良さだろう。当時はたかが10万円のデッキでここまでできるのかと驚いた記憶がある。特にダビング性能は秀逸で、VHSやベータと比較して、ダビングによる画質劣化は小さいものだった。
しかも驚くほどコンパクトで軽い。写真では分かりにくいかもしれないが、フルコンポサイズの普通のビデオデッキに比べて格段に小さい。これがもたらすメリットは計り知れない。
本機の唯一の問題は、寿命の短さと言える。1年程度でへたばってしまうデッキが実用的かどうか、と言うのが判断の分かれ目になるだろう。しかし、これに関しては、たとえ寿命が1年であろうと、これを買う価値があるというのが私の結論だった。つまり、1年ごとに10万円出してこれを買うとしても、十分にメリットが得られるという意味である。それだけ、ビデオテープ収納場所の節約効果は大きかったのである。
しかしながら、この判断は、実にくだらない理由で裏切られることになる。1年後には既に本機種は購入できず、後継機種も存在しなかったのである。まったくもって、SONYには裏切られた気がする。
もう一点、突起すべきことは、デジタル音声の記録機能を持っていた点だ。本機は、AFM音声と、8bitステレオのデジタル音声の双方に対応していた。デジタル音声の方は、レンジが8bitとCDの16bitの半分しかないが、VHSのHiFiのような露骨なスイッチングノイズも入らず、気持ちよく聞くことができた。その機能が、このようなローエンドモデルに搭載されていたことは、非常に価値のあることだと考える。しかし、この後の据え置き型8mmビデオデッキからは、どんどんデジタル音声機能が削られていくのである。最終的には最上位機種にしか、その機能が残らないような状態に陥ってしまったのである。どうやら、ハンディカムの仕様に合わせたということらしいのだが、これもまた、SONYに裏切られたという気持ちが残る。
前面
右側面
背面
左側面
上部ポケット内
前面左部クローズアップ
前面右部クローズアップ
底面
上面
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