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物欲博物館 松下 NV-880HD


MATSUSHITA NV-880HD

1999年10月11日撮影

最終更新: Mon Sep 12 15:30:07 2011


 ここは、松下製ビデオデッキ、NV-880HDに関する思い出を記すページです。


記録

経緯

 ビデオのダビングをしたかったので、ENIXプログラムコンテストの賞金を手に入れて、念願の2台目のビデオデッキとして購入。1台目は、親が買った家族共有デッキだったので、自分の金で買ったものは、これが1台目。そういう意味では記念すべきデッキ。

 主力が8mmビデオに移行した後も、VHSとの互換性を維持するためにラック内に置いていたが、8mm+VHSのダブルデッキの導入に伴い、予備機としてラックから外した。それ以後、ずっと予備機扱いのままである。実は、他にもVHSデッキが2台あるので、それらがすべて使えない事態が来るまで出番は無さそうだ。

 【2000年5月2日追記。この2台のうちの1台であるSANYO SVH-F30は完全に動作しなくなり処分決定。だんだん余裕が少なくなってきているが、VHSデッキなら最悪でも安く買えるから特に問題ではない。】

感想

 本機は、購入時点で、松下のカタログ上ではチューナー一体型のビデオデッキとしては最高級機だった。これ以上の民生用のデッキは、チューナーセパレートタイプしか無かった。しかし、これを購入直後に、ジョグダイヤルと、フライングイレースヘッドを搭載したビデオマスター(NV-1000)が登場して、あっさりと最上位の座を譲ってしまった。しかし、一時とはいえ、最上位機種であったモデルなので、性能や動作の安定性に申し分はなく、不満を感じることはなかった。結局ビデオデッキに必用なのは、安定した高品位な録画再生機能であって、編集機能ではなかったのだ。

 仕様的には、HiFiのVHSデッキに分類できるだろう。HiFiは深層記録のFM音声の機能を持っているということ。当時のHiFiでないデッキとは、リニアな音声トラックを使っているデッキであった。音質的には、リニアな音声トラックと比べて、比較にならないぐらいの高音質と言えたが、スイッチングノイズも激しく、音楽鑑賞にはあまり適していなかった。余談だが、スイッチングノイズ対策として、世間ではβ1(S)モードをリニア音声トラックで使うのが良いとされている。しかし、8mmビデオのように、音声をデジタル記録してしまうという選択もあり得る。(ところが、8mmビデオでデジタル音声をサポートしたデッキは現行機種にほとんど無い不思議)

 (この部分は、うろ覚えなので、間違いがあったら指摘して欲しい)。画質的には、S-VHSの無い時代なので、ノーマルVHSである。ノーマルVHSにはHQという画質向上技術が存在するが、このデッキは、HQ登場直前に発売され、購入している。HQには4つの技術改善項目が存在するが、本機はそのうちの一つ、ホワイトレベルのクリップアップだけを取り込んでいる。松下は、これをHD(High Definition)と呼んで、画質のβ陣営に対抗しようとしたようだ。しかし、HQが決まったことで、HDを名乗るデッキは、本機ぐらいしか存在しないようだ。

 【このページをご覧になった方から訂正を頂いた。松下のHDとは、Hi-Fi音声の深層記録方式のことをそう呼んでいた、ということで、画質改善とは直接関係がないとのこと。NV-850HD、NV-875HD、NV-1000HDなどの機種もあったそうである。ご指摘感謝。ただし、名称はともかく、ここで記述したHQ未満の画質改善策が採られていたことは、私の記憶する範囲内では事実である。(この部分2000年5月2日追加)】

 そういう意味で、レアなデッキかも知れない。しかし、画質は、単純に規格で決まるものではない。部品の品質や設計にもよる。その点で、本機は、HQの安物よりもずっと高画質だったと思っている。現実問題として、HQ仕様のデッキに買い換えたいという欲求はあまり無かった。価格対メリット比が納得できるものではなかったからだ。

 このデッキは、音多チューナーを内蔵していた。そのため、音多チューナーの無い15X47を補完する機種として重宝した。

 本機で最も気に入っていたのは、何と言っても、AC電源が切れたときの内蔵クロックのバックアップ時間の長さだ。修理のためにコンセントを抜いて放置したことがあったが、なんと、丸一日経過後にコンセントを差し込んだら、時刻を覚えていた。予約後、安心して外出できるデッキとは、こういうものだろう。ちなみに、カタログスペック上の保持時間は、確か、1時間20分ぐらいだったと記憶する。

 本機の致命的問題を1点上げるとすれば、テープカウンターが実時間表示でないことだろう。これは、単に実時間表示出ないと言うだけでなく、カウンターの進み方がテープの位置によって変化する。120分テープに3倍速で録画した場合、テープの頭の方は、たしか350ぐらいで30分に相当したが、最後の方では、100ぐらいが30分に相当したように記憶する。(かなり、あやふやな記憶)。そういう意味で、リニアテープカウンターを持った機種への買い換えに対する欲求はあった。しかし、SANYO SVH-F30を後で購入しているが、追加購入であって、置き換えではなかった。優れた録画再生能力は、ビデオデッキの命であり、それが優れたデッキを捨てることなど、できることではなかったのだ。

写真

前面

THUMNAIL PICTURE

前面ポケットを開いたところ

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右側面

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背面

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左側面

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底面

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上部に書かれた言葉とマックロードのロゴ

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上部の蓋の中の設定部(チャンネル設定)

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作成:川俣 晶
電子メールアドレス/ autumn@piedey.co.jp