シヌノラは、男性自身の堅さによってトチローとハーロックに価値を見出したように見えます。
しかし、それが全てとは言えません。
シヌノラは、自分が寝ていない男も含めて、「トチローとハーロック>西部の男>東部の男」という序列を付けて評価しているように見えるからです。
はたして、どのような観点で、この序列は付いているのでしょうか?
女を犯す手順の差異 §
この3つの序列は、「女を犯す手順の差異」として認識できることに気付きました。
つまり、以下の通りです。
東部の男 §
交渉や組織のルールなどを元に、代償を支払うことを通じて女を犯す。
(例: 鉄の掟を持ち出さねばシヌノラを犯せないノグソンや、シヌノラに金を渡すことを通じて抱くデラメダム等)
西部の男 §
「男は殺せ 女は犯せ」という西部の掟により、交渉、組織のルール、代償などは一切抜きで犯したい女を犯す。
(例:何もかも貪欲に奪っていったムリグソンや、全ての場所を極め尽くすというリトルビッグペニス)
トチローとハーロック §
女性を尊重し、相手の同意が無ければ性行為には及ばない。2人で同時に犯すような卑怯なことも、けして行わない。
順位の考察・女を娼婦扱いする意味 §
ここで、シヌノラの立場に立って、考えてみましょう。
この3つにどのような序列を付けるべきでしょうか?
まず、「トチローとハーロック」に最も高い評価を与えるのは自然な成り行きでしょう。
次に、東部の男と西部の男のどちらをより上位に見るかです。
ここで重要なことは、いずれにしても両者の男はどちらも「女を犯す」ということです。結末には変わりがありません。
違いは「交渉、組織のルール、代償」の有無だけです。
しかし、結末が同じなら、交渉など空虚な言葉遊びに過ぎません。
もし、代償をもらって犯されるのだとすれば、それは女を娼婦扱いすることに他なりません。そのように考えるなら、「東部の男」とは最低ランクに位置づけられます。
それと比較すれば、代償を出すことなく単に犯す「西部の男」は、女を「娼婦」ではなく「女」として扱っているという意味で、むしろ上等です。
これを合わせると、「トチローとハーロック>西部の男>東部の男」という男を評価する序列が浮かび上がります。