実は、「マゾ タウンの雪」には根本的な問題があることに気づきました。
このエピソードは、シヌノラに注目する限り、以下のような内容に思えます。
「トチローとハーロックが2人で日本人と会っている間に、シヌノラが街の女と間違われて犯されていましたが、踏み込んだトチローとハーロックに助けられた」
ところが、そのように解釈すると以下の疑問が出てきます。
- この街の者はマゾであり、殺すことも犯すことも、何ら強制力は要求されない
- 街の女が謝りながら犯される描写が既にある
- 従って、「街の女」が相手なら「やらせろ」と要求するだけで良いはずである
- それにも関わらず、シヌノラの服が乱雑に散らばっているのはなぜか
- それにも関わらず、シヌノラの手足が鎖で縛られているのはなぜか
従って、この描写からは、以下のことが言えます。
- シヌノラは抵抗したので、やむを得ず暴力で拘束して犯した
しかし、ここに矛盾点があります。
- 襲われる根拠は、シヌノラが街の女であるという誤解にある
- 誤解は一言で解ける
- 誤解が解ければ、犯される必然性は無くなる (間違いと知った後で謝っているから、女は犯せというルールにまで従う気はないようだ)
つまり、以下のように疑問をまとめられます。
- 誤解を解くチャンスはおそらく存在したはずなのに、シヌノラはそれを行わなかったのはなぜか
実は意図的に誤解を解かなかったという仮説 §
ここで発生した状況は、シヌノラ、レイプ犯、トチローとハーロックの3者で異なります。
レイプ犯は、「抵抗した街の女に思い知らせるために縛って犯す」という行動を取っていたのでしょう。つまり、正義を行使しているつもりです。
トチローとハーロックは、拉致されたシヌノラを助けに入ったつもりでしょう。これも一種の正義です。
ところが、この2つの正義はどちらも虚構です。
実際には、「街の女」ではないし、助けてくれとも言っていないのです。実は、シヌノラは救助を求める台詞を一言も言っていません。鎖を手足で拘束され、口から男が離れて喋れる状態にあるにも関わらずです。
ここで、トチローとハーロックが日本人に会いに行って置き去りにされたシヌノラは、暇を持て余したと考えられます。その暇を有効活用するために、情報収集の好機を活用したとしても何ら不思議ではありません。
レイプ犯の台詞の解析 §
「どうだ いいか? よかろうが そうだろう? 死ぬ死ぬと 言え死ぬと」
という台詞は3つの分かれます。
- 「どうだ いいか?」
- 「よかろうが そうだろう?」
- 「死ぬ死ぬと 言え死ぬと」
1つめは純粋な疑問文です。
2つめはシヌノラが快楽を得ていることを示します。
3つめはシヌノラが達する寸前であることを示します。
つまり、ここでは以下の示します。
- カウボーイ2名の意図は快楽を与えて、マゾタウンの女を正しく導くことである
- 悔い改めて奉仕すれば、シヌノラが解放されることは明らかである
- シヌノラにとってそのような演技や行為は朝飯前である
従って、シヌノラから見れば何ら危機的な状況ではなく、情報収集の好機であったと考えられます。
時系列 §
- トチローとハーロックが家に入ってシヌノラが取り残された
- カウボーイ2名がシヌノラに「やらせろ」と要求
- シヌノラは当初「なぜ自分にそのような要求が寄せられるのか」が分からずに拒否する
- カウボーイ2名は「街の女」が抵抗したと思って制裁レイプを発動する
- ここで服を強制的に脱がされ、縛る必然性が発生する
- シヌノラは「街の女」と誤解されたことを知るが、それを訂正しない。トチローとハーロックを呼んで助けてもらうよりも、このまま情報収集を続けた方が良いと判断している
- 行為そのものはシヌノラも楽しんでいる。情報は持っていないので、行為を純粋に楽しんでいた
- しかし、トチローとハーロックが予想よりも早く踏み込んできた
実は和姦という可能性 §
実は和姦である、ということは以下の可能性を示唆します。
- 日本人に会いに行ったトチローとハーロックに対する当てつけとしてシヌノラはあえて白人に抱かれた
そして、そのように考えればレイプ犯が殺される必然性も分かります。
- トチローとハーロックは自分の女が他の男に抱かれる行為を許容できない (シヌノラの心情にかかわらず)
従って、シヌノラは最後に「トチローとハーロックに反逆する可能性」を示唆しなければなりません。これが「ハラが立ったら噛みつく」ということです。