2007年04月10日
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シヌノラは自分の意志で意図的に西部に来たのか?

Written By: オータム連絡先

 ここは、シヌノラの真の姿を見出すための核心とも言える部分です。

 シヌノラは、組織の命令によって西部に行かされたのか、それとも自分の意志で行ったのかという疑問です。

 これは、シヌノラと組織の関わりを考える上で重要なポイントになります。

タタンダールの所に帰らないシヌノラ §

 「紳士タタンダール」で、タタンダールは「シヌノラも私の所へは帰らないと言う」と発言します。

 ここで注意すべきことは、この台詞は「帰れない」ではなく「帰らない」と言っていることです。つまり、「帰ることができる」と認識しつつ、その選択肢を選ばないという「自分の意志」を表明しています。

 ということは、少なくともこの時点でのシヌノラは「組織の命令で仕方なく」西部にいるのではなく、自分の意志で選び取った意図的な選択として西部にいることになります。

 そして、組織とシヌノラの関係がさほど大きく変化していないことを考えれば、シヌノラが西部に行くことは、命令ではなくシヌノラの意志であると考えられます。

趣味に合いすぎる調査対象という疑惑 §

 シヌノラは固い男性自身を愛好しています。

 トチローとハーロックは、その条件を満たすために、シヌノラに気に入られます。

 シヌノラは二人の堅さを「イエロークリークに風が吹く」で確認しています。

 まずトチローに対しては、「……どの人種より……カタイ……」と言いますが、驚きは見せません。

 一方、ハーロックに対しては「ハーロック……あなた」と驚きを見せますが、これは白人だと思ったハーロックもトチロー同様に固かったことへの驚きと思われます。

 このあと、シヌノラは暇な時にはハーロックと交わりますが、トチローも拒みません。トチローの男性自身も嫌いではなかったのでしょう。

 さて、ここで気になることは、シヌノラとトチロー&ハーロックの相性が良すぎることです。その出会いが偶然であったにしては相性が良すぎます。組織が鉄の掟によって反問を許さずにシヌノラを派遣した先が、偶然にもシヌノラの好みの男性自身の持ち主などということが、そう簡単にあり得るでしょうか?

 これは、繰り返し任務に派遣された中で「数打ちゃ当たる」式で出会った幸運なのでしょうか?

 それとも、シヌノラは意図的に自分の好みの男性自身を持った異民族の調査任務に出たのでしょうか?

 この問い掛けへの答は、おそらく後者が正解ではないかと思います、なぜなら、トチローに対して「どの人種よりカタイ」という時のシヌノラは、驚いているというよりも、確認しているように見えるからです。

 つまり、シヌノラは自分が調査する対象の異民族は男性自身が固いことをあらかじめ知っていたと考えられます。

 それゆえに、シヌノラは自分の意志で趣味に合う異民族の調査に出た……と考えるのが妥当であるように思えます。

「組織の生物学者」は調査を行う唯一の立場か? §

 ここで1つ踏まえておくべきポイントがあります。

 それは、「亡命貴族と異民族研究に深い関わりはあるか?」の推定が正しく、亡命貴族と「組織」が協力関係を持って異民族研究を行っていたとすれば、シヌノラは「組織」の一員にならずとも、調査に行くことができるという点です。

 つまり、固い男性自身を持つ異民族と寝ることがシヌノラの最終目的であったとしても、「組織」のエージェントになる必然性はないということです。

 しかし、シヌノラは「組織の生物学者」になり、組織の鉄の掟に縛られることを選び取っています。その結果、各地の上級エージェントからは犯され続けるという立場に立ちます。

 念のために補足すれば、シヌノラがエージェント達からも犯されたかった……としても、そのために自分も組織のエージェントになる必要はありません。さりげなく、私はあなたと寝たいと意思表示するだけで良いでしょう。あの上級エージェント達は、おそらく喜んでシヌノラを抱くでしょう。

 それにも関わらず、シヌノラは亡命貴族の一員ではなく、「組織の生物学者」になったのです。

 これは、シヌノラが意図的に亡命貴族からの離脱を図ったと考えることができます。

 更に、「タタンダールとシヌノラの関係・驚愕の父娘近親相姦説の根拠は何か?」で述べたタタンダール父娘説が正しければ、父親からの離脱という側面も持ちます。

 つまり、この時点でシヌノラはタタンダールや亡命貴族達から決別して一人で歩いて行ってしまい、その結果として「紳士タタンダール」で描かれた「連れ戻す」ドラマが成立するわけです。

亡命貴族からの離脱を選ぶ理由 §

 この時点で、既に亡命貴族にはフランスでの貴族生活経験者はいません。関係者のやる気は下がる一方でしょう。状況を見ても、王政復古の具体的な可能性は遠のくばかりです。

 それにも関わらず、タタンダールは未だに正当な剣筋のサーベルの腕を磨き、バロン(男爵)を名乗り続けています。

 まだ若いシヌノラが、未来の見えないこのような世界から離れて自分の世界を確立して行きたい……と思っても不思議ではないでしょう。

 そして、開拓時代の西部とは、それが可能だという夢を見せてくれる場所であったはずです。

まとめ §

 シヌノラの西部行きは、以下の2つの側面があると見て良いのではないかと思います。

  • 好みの固い男性自身を調べるために、意識的に行くことを選び取った
  • もはや未来のない亡命貴族の世界からの決別

 残った問題は、これらの目的を達成するために、多数の男達から犯されまくるという状況を受容可能であるかです。

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