「イエロークリークに風が吹く」で保安官の手先に犯されている場面にトチローとハーロックが駆けつけたとき、シヌノラは「見ないで!!」と言います。
そして、「ベアロックの固い肉」でリトルビッグペニスに犯されている場面にトチローとハーロックが駆けつけたとき、シヌノラは「見ないで 私」と言います。
この2つの事例を見ると、シヌノラは犯される姿を見られたくない性格なのだ……と思い込みそうになります。
しかし、子細に検討してみると、シヌノラが犯されている場面にトチローやハーロックが駆けつけるシーンはいくつもあるのに、「見ないで」と言う事例はこの2つだけに絞られます。
つまり、見られるのはイヤという性格……とは言えなくなります。
では、この2つのケースで、シヌノラが「見られたくない理由」とはいったい何でしょう?
後ろめたい時に出る「見ないで」 §
「イエロークリークに風が吹く」の事例では、シヌノラが自分から手先を誘った可能性があることを「「イエロークリークに風が吹く」でシヌノラが保安官の手先に犯される理由」で述べました。つまり、トチローとハーロックに嘘をつき、自分の目的のために手先に犯させたのです。それは、トチローとハーロックに対する裏切りであるために、シヌノラには後ろめたさがあったのでしょう。
「ベアロックの固い肉」の事例では、リトルビッグペニスがシヌノラ好みの硬い男性自身を持っているために、かなり本気で彼との関係を受け入れていたことが読み取れます。つまり、本来シヌノラが示していたはずのトチローとハーロックに対する絶対的な誠実さが、ここでは崩壊しています。そのような状況に、シヌノラとしては2人に対する後ろめたさがあったのでしょう。
つまり、この2つの事例は、シヌノラ自身にトチローとハーロックに対する後ろめたさがある場合にのみ出る台詞だと推測されます。
シヌノラは見られることが嫌いではない §
そのように考えてあらためて作品を振り返ると、シヌノラは淫らな自分を他人に見せることを抵抗せずに受け入れるばかりか、時には積極的に提案することさえあることに気付かされます。
たとえば「酒のない町の崩壊」では、自分から裸になって踊ることを提案しています。(客がいないので実行はされませんが)
従って、本質的にシヌノラは見られるのが好きであり、「見ないで」という台詞は淫らな自分を見て欲しくないという意味ではなく、後ろめたい行為を行っている自分を見て欲しくないという意味だと考えられます。