「ガンフロンティアへの出発」におけるシヌノラの主要な行動を見ると以下のようになります。
- 質屋相手に鉄砲を預ける時に裸になった
- トチローとハーロックをねらう伏兵を殺している
- 女2人が男をたらし込んで殺し屋に仕立てている状況を覗くことを教唆した (他人の性行為を覗くことを教唆した)
- 女2人を射殺した
- 男2人を殺す自信はあったが、連れ込み宿に入った
- 男2人に同時に犯されたが事後の表情は不詳である
- 終わったと信じたが、男2人は市長の護衛であり撃ってきて驚いた
- 時々女にもなってあげる、と言う際に反脱ぎになる
この女2人は賞金首の情婦であるとはいえ、女2人を殺すことにためらわないのに、男は殺さないで連れ込まれます。ちなみに市長の護衛であることは、事後になってやっと判明する話であり、この時点では分かっていません。
従って、以下の謎が浮上します。
- シヌノラは女を殺したが男には手出しをしていないのはなぜか
常識的な解釈 §
シヌノラは組織の生物学者としてトチローやハーロックに接近する必要があり、トチロー達の信頼を得る必要があった。従って、女2人が殺し屋を製造している場面を見せた上で射殺して見せる必要があった。それ以外の殺しは回避すべきであった。
シヌノラは実際には金に困っていなかったが、情報収集のために質屋に入って、鉄砲を預けた。脱いだのも情報収集の一環である。やらせなかったのは、脱いだ時点で必要な情報が得られたからであろう。
だがこの解釈は §
しかし、他の男に身体を見せたり開いたりすることは、トチローとハーロックの信頼を得て仲間になるには不利です。しかも、聞かれてもいないのに脱いだことをトチローとハーロックに告げ、ホテルに男2人と出入りするところを見せています。
つまり、脱いだことは黙っていて、男2人も射殺してしまった方が明らかに有利であるのに、そうしていないわけです。特に、「秘密は喋らない」「男は殺せる(伏兵を射殺した実績もある)」ので、それができないわけではないでしょう。
真相は何か §
「できること」「やるべきだった」ことを行っていない、ということは以下を示唆します。
- 任務が最優先されているので、殺されそうになったトチローとハーロックの命を助けるために伏兵を射殺することがあるが、トチローとハーロックの命に直接関係がない場面では任務は最優先されていない
では任務以外で優先されたことは何かといえば、自分の趣味性でしょう。
つまりシヌノラは、「見ること/見られること」も「複数の男から同時に犯されること」も好きなマゾ女である、ということです。
質屋にやらせなかった理由 §
とすれば、「シヌノラは複数の男から同時に犯されることが好きである」という仮説からすれば、男2人には犯されたのに、質屋には見せただけでやらせない理由も良く分かります。質屋は1人だからそれに該当しないのです。「視姦の快楽の道具」にはなり得ても、そこから先に行かないのです。
また、このエピソードもラストで「時々女にもなってあげる」と言う際に、脱ぐ必要もないのに反脱ぎになる理由も分かります。相手が男2人だから誘ってサービスしているわけです。トチローとハーロックが1人で相手をする主義であることをシヌノラはまだ知りません。硬いことも知りません。方法論的には、男2人と連れ込み宿に入る手法とおそらく同様です。この時点でのシヌノラの目には、「同じような男」にしか見えていません。
