ガニマタ賛歌には謎が多い。
- トチローとハーロックはカテリーナが黒幕だと知っているのに、シヌノラがカテリーナと一緒にいても心配しないのはなぜか
- なぜトチローとハーロックはスルスキーを連れて出発し、シヌノラを連れて出発しないのか
- なぜカテリーナの銃声はストライカーとハードネットには聞こえるのに、スルスキーには聞こえないのか。トチローにもかすかにしか聞こえないのか
- なぜシヌノラはカテリーナが黒幕だと知っているのにあっさりとついていって二人きりになったのか
- なぜシヌノラはカテリーナから脱げと命令されるあっさり脱ぐのか
- なぜシヌノラはストライカーとハードネットを射殺したのか
- なぜ囚われていたはずのシヌノラが銃を持って駆けつけられたのか
- カテリーナは最終的にハーロックだけを連れて地図の場所に行こうとしたが、なぜ最初には全員を殺そうと待ち伏せをさせたのか
シヌノラが脱ぐ理由 §
シヌノラが脱ぐ理由は和姦の場合を除き、主に以下の2つになる。
- 組織の鉄の掟を盾に命令された時
- 自分や仲間が銃や暴力で脅された時
問題はカテリーナが組織の人間か、シヌノラの上位の階級か、カテリーナは銃で脅したのかである。
カテリーナが組織の人間かはおそらくイエスである。情報をよく知りすぎているし、カテリーナの手下はカテリーナに服従していて自由な街の男らしくない。待ち伏せした二人とストライカーとハードネットの4人は街の男ではなく、組織にあてがわれたカテリーナの部下なのだろう。少なくとも4人の男を部下に持っていることになるので、おそらく階級はシヌノラよりも上位である。
しかしながら、シヌノラはカテリーナの部下に殺されかかっている(と少なくともシヌノラは認識している)ので、あっさり命令に従うのは不自然である。
次のコマでカテリーナは銃を持っているので、やはり銃で脅されたのですぐ脱いだという解釈の方が正しそうだ。
銃で脅して強制させていれば失神させる必要はないはずだが、失神の後カテリーナが行おうとしたことは組織の命令に反することなのだろう。つまり、組織の意向はシヌノラがトチローとハーロックを監視することだったのだが、カテリーナは媚薬を使ってシヌノラからトチローとハーロックを忘れさせようとしたのだ。
場所についての疑問 §
場所については実はガニマタ賛歌をよく読むと、カテリーナが銃を使った場所にはストライカーとハードネットがいるが、スルスキーの家には一切ストライカーとハードネットがいないことが分かる。つまり別の場所である。
カテリーナのアジトは、スルスキーの家からぎりぎり銃声が聞こえる距離にあると推定できる。カテリーナとシヌノラは二人だけでこの家に移動したのだ。
なぜ移動したのかは一切分からない。
そうすると、銃声がストライカーとハードネットには聞こえ、スルスキーには聞こえない理由が良く分かる。トチローは耳が良いのでかすかに銃声を聞いたのだろう。しかし、シヌノラの居場所を知らないトチローはその銃声とシヌノラを結びつけて考えなかったのだろう。また、その後トチローとスルスキーが銃撃戦を行うが同じ理由によりシヌノラの耳には届いていない可能性がある。(失神していたから聞いていないだけかも知れない)
シヌノラの立場の疑問 §
トチローとハーロックの立場で考えたとき、実はこのエピソードでは決定的な特徴がある。
それは、シヌノラの安全を確保しようとする意欲が希薄であることだ。スルスキーから犯された時は別だが、その時はトチローが患者であり、診察されない不当さも存在した。
考えてみると、ゴーストウェスターナーを調べているシヌノラは、トチローとハーロックから見れば潜在的な敵である。
つまり、スルスキーの地図に従って仲間の居場所を確認しに行く状況に限ってはシヌノラを同行させたくなかったのかもしれない。
ではカテリーナが黒幕だと知って、シヌノラをカテリーナのところに残して行くだろうか。この状況において、トチローとハーロックからシヌノラはカテリーナの仲間と考えられるので、カテリーナはシヌノラを殺すことはないと考えたのではないだろうか。
シヌノラ行動の謎 §
シヌノラはレイプの後に現場に駆けつけてストライカーとハードネットを射殺する。カテリーナからすれば、シヌノラを自由に行動させるのはおかしい。
シヌノラはスルスキーの歩兵銃を持って駆けつけたことで、スルスキーの家にいたことが想定できる。
おそらく、カテリーナのアジトはシヌノラを閉じ込めるには向かないと考えたカテリーナは、出発後に誰もいなくなっていたスルスキーの家にシヌノラを閉じ込めたのではないか。そこには武器は残っていないはずであった。しかし、骨董品だと思われて見逃されていたスルスキーの歩兵銃がそこには残っていたのだ。
シヌノラはそれを使用して錠前を破壊し、そして馬を調達して一行を追ったのではないか。
銃弾をいつどうやって調達したのかは分からない。
馬を調達した方法も分からない。
なぜシヌノラはストライカーとハードネットを射殺したのか §
シヌノラが現場に駆けつけた理由は、カテリーナによる射殺計画を知っていたからではないかと思われる。しかし、ハーロックは殺さないという意図までは知らなかったと思われる。シヌノラが駆けつけたとき、既にスルスキーとトチローは倒れていた。次はハーロックだと思ったシヌノラは咄嗟にハーロックを守るためにストライカーとハードネットを撃ったのではないか。カテリーナが自分で射殺したとは思っていないようだ。そのため、カテリーナに銃を向けられて再びシヌノラはピンチになる。しかし死んだと思われていたトチローに救われるわけである。
総論 §
話の整合性から考えると、最初から話が食い違っていることが分かる。
トチロー、ハーロック、シヌノラの認識からは、カテリーナは三人を狙っていた。
しかしながら、カテリーナが殺したかったのはトチローとスルスキーだけなのだ。
むしろ、カテリーナは【黄色い猿に心を奪われた可哀想なシヌノラを救ってあげたい】という、割と優しい(しかし身勝手な)気持ちを持っていたと思われる。事実として明確にシヌノラに殺意が向けられたのは、ストライカーとハードネットの射殺後でしかない。
ハーロックを殺さないのは、単純にゴーストウェスターナーが一人必要だったからに過ぎないだろう。
とすれば、実はシヌノラとカテリーナは成り行きが違っていたら友達になれたような立場なのではないか。カテリーナは最高のS女でり、シヌノラは最高のM女である。合性はとても良い。「私たちは必死にトチローさん達を探している間、あなたはウス汚い二人と何をしていたの」「聞かなくても分かるけど、黄色のサル好みのメスザルめ!!」カテリーナの言葉責めは最高である。
もし、カテリーナが死ななかったら、トチローとハーロックとの関係を続けるシヌノラを「メスザル」と罵るような言葉責めのSMプレイが繰り返されるような展開もあり得たのも知れない。
他のS女とカテリーナの比較 §
シリーズ中にS女と呼べる女性は何人かいる。ざっと考えただけでもこれぐらいは思い付く。
• カテリーナ
• サンダウナーズ
• 列車内でエキサイトする老婆
• 女なだけの街の案内人
• カマドネンの妻
• 女性が全裸の街で残った男にシヌノラを犯させた女達
しかし、サンダウナーズはシヌノラに興味を示さずエロクトに下げ与え、老婆はただけしかけているだけで言葉責めにはなっておらず、案内人はただレズの魅力を語っているだけでシヌノラのことを語っていない。カマドネンの妻はシヌノラの相手を犬に任せただけである。全裸の街の女達は、【レイプで辱めた後で殺す】ということしか考えておらず、快楽は求めていない。
つまり、シヌノラに対して高度な言葉責めプレイを行ったS女はカテリーナだけなのである。それと同時にカテリーナは肉体接触つまりレズ行為を求めていないことも重要なポイントだ。シヌノラは最高のM女なのであって、レズビアンではないからだ。
それを考えると、実は意外とシヌノラはカテリーナを嫌っていないのではないかという気もする。事実として、シヌノラが射殺したのはストライカーとハードネットであって、カテリーナはトチローのサムライサーベルで斬られている。
【意外とシヌノラはカテリーナを嫌っていない】という認識が得られると、なぜシヌノラはカテリーナと二人だけになったのか。という理由も何となく分かる。