シヌノラは、作中で驚くほど多くの回数犯されています。
未遂や視姦を含めれば、51回という数字になっています。(「コミックス ガンフロンティアにおけるシヌノラのプレイ一覧 Ver: 2007/4/7」による。以下、回数やID番号はこれを元にして表記する)
では、この51回の中で、シヌノラが最も快感を得たのはどれでしょうか。
制御可能な一線 §
作品を子細に検討すると、シヌノラのプレイには「支配権を全面的に相手に与えることを通して、逆に主導権を取る」というスタイルを見て取れます。
たとえば、シヌノラは非常に高い頻度で縛られた状態で犯されます。しかし、縛られることと、服従することはイコールではありません。たとえば、「荒野のサムライサーベル」で牢屋の看守に犯されるシヌノラ(ID:22)は、縛られた状態で一方的に犯させることを通じて相手を油断させ、銃で反撃を行います。また、「紳士タタンダール」でタタンダールに縛られるシヌノラ(ID:24)は、「絶対に逃亡不可能な状態」にありながら「一緒にニューヨークに帰らない」という意志を貫くことで、タタンダールを解決策のないデッドロック状態に落とし込みます。このシーンにおいて、主導権はシヌノラ側にあります。
しかし、全てのケースにおいて、シヌノラが主導権を取っているわけではありません。たとえば、「ガニマタ賛歌」でストライカーとハードネットに犯されるケース(ID:17)では、失神状態から犯されるために、一方的に犯されることしかできません。また、「ベアロックの固い肉」では一方的にリトルビッグペニスの言いなりに交わり続ける(ID:42)シヌノラの姿を見ることができます。
従って、シヌノラにはプレイの状況を制御できるケースとできないケースがあり、両者の間には境界線となる一線が存在すると言えます。
この一線は、複数の条件から成立しているものと思われます。
- 相手の人数が少ない方が制御できる確率が高い (例 ID:27「マスタウン&イレタウン」の騎兵隊のよる集団レイプや、ID:37「ミス イザナミの乱行」で同時に5人に犯された状況では、シヌノラは状況を制御できていない)
- 相手が女、あるいは相手集団に女が含まれると制御できない確率が高い (例 ID:17「ガニマタ賛歌」ではバックにカテリーナがいる。ID:20「女医サン・ダウナーズ」ではエロクトのバックにサン・ダウナーズがいる。ID:38「チカメとクマと女と穴だけの町」での相手は女性そのものである。ID:48「ロッキー山脈のガニマタ群」では3人の男のバックに2人の女がいる)
- 意外な状況に遭遇すると制御できない確率が高まる (例 ID:23「紳士タタンダール」では、意外な人物との再会によって、一方的にタタンダールのペースに乗ってしまう。ただし、ID:24の状態では主導権を取り戻している。ID:42 「ベアロックの固い肉」では相手が固い男性自身を持っているという予想外の状況に、リトルビッグペニスに要求されるまま彼との関係に浸り混んでしまう)
更に、もう1つ重要なポイントがあります。
それは、制御できないケースの方がシヌノラは快楽を燃え上がらせているように見えるということです。
つまり「思い通りになること」よりも「思い通りにならないこと」を通して、シヌノラは燃え上がるのです。
余談・なぜシヌノラがトチローとハーロックと付き合い続けるのか §
このことは、なぜシヌノラがトチローとハーロックと付き合い続けることができるのか……という疑問への1つの答となります。つまり、トチローとハーロックはシヌノラから見て、「支配権を全面的に相手に与えることを通して、逆に主導権を取る」という支配戦略が全く通用しない相手であり、決定的に「思い通りにならない」のです。しかし、彼らは常に1対1の普通のやり方から逸脱しないため、最大の快楽の候補にはなりません。
「シヌノラが最も快感を得たプレイ」候補の抽出 §
以上のような認識から、まず全体の中からシヌノラの思い通りにならないプレイをリストアップしてみましょう。ただし、相手が直接的にシヌノラの身体に触れているケースのみを対象とします。
相手の人数が多いケース §
- ID:27「マスタウン&イレタウン」マスタウン騎兵隊 (騎兵隊全員は人数としては極めて多い)
- ID:29「インディアンパンチ」ホロ馬車隊の男達 (少しは驚いているが、犯されるのは想定内と思われる。シヌノラが主導権を取れない理由は、相手の人数が予想外に多かったため)
- ID:37「ミス イザナミの乱行」組織の5名 (5人から同時にあらゆる場所を犯されては、さすがのシヌノラも打つ手無し)
- ID:45「ジャマシティのマッチロック」日本人を装った白人男達 (大人数だった)
相手に女がいるケース §
- ID:16~17「ガニマタ賛歌」カテリーナ、ストライカー、ハードネット (ストライカー、ハードネットはカテリーナの忠実な部下)
- ID:20「女医サン・ダウナーズ」エロクト (エロクトはサン・ダウナーズの忠実な部下)
- ID:25「ワイルド・ウタマロ」組織の者達 (男達をけしかける老婆がいる)
- ID:38「チカメとクマと女と穴だけの町」女性案内人 (相手が女そのもの)
- ID:48「ロッキー山脈のガニマタ群」町の男3人 (女2名が男3名を支配していた)
意外な状況に遭遇しているケース §
- ID:7「大砂塵馬肉の歌」ムリグソン (初めて遭遇する一方的で何もかも奪うレイプ)
- ID:10~11「イエロークリークに風が吹く」ハーロック→保安官の手先 (ハーロックも日本人の血を引いていると気づき驚き、驚きが覚めないうちに保安官の手先に犯されている)
- ID:23「紳士タタンダール」タタンダール (意外な人物の来訪に遭遇した)
- ID:42「ベアロックの固い肉」リトルビッグペニス (男性自身が固かった)
その他 §
- ID:31「ウエモンの呪い」ポチ (本能で動く犬は、時間を掛けて訓練でもしない限り、そもそも思い通りにできない)
- ID:43「怒りのチビ」ヒニンガムと多数の見物人 (上と下からビールを飲まされて思考力や判断力を奪われた)
除外するケース §
以上のリストから、明らかにシヌノラが楽しんでいないケース、平凡な快楽しか得られていないと見られるケースを除外していきましょう。
- ID:7「大砂塵馬肉の歌」ムリグソン→事後のシヌノラの表情はニコニコと笑っていたので、笑って翌朝を迎えられる程度の快楽だった
- ID:20「女医サン・ダウナーズ」エロクト→白人男性一人だけでシヌノラは満足できない上に、途中で馬が乱入して中断された
- ID:23「紳士タタンダール」タタンダール→フェラチオ奉仕しかしておらず、シヌノラが楽しんだという感じでもない
- ID:27「マスタウン&イレタウン」マスタウン騎兵隊→全員で犯してから殺すと宣言されていて、しかも実際に犯されて殺された従軍看護婦の遺体を見たばかりなので、とても楽しめる状況ではない
- ID:29「インディアンパンチ」ホロ馬車隊の男達→単に人数で犯しているだけなので、特に大きな快楽を得たようには見えない
- ID:43「怒りのチビ」ヒニンガムと多数の見物人→ビールで眠らされては快感どころではない
- ID:45「ジャマシティのマッチロック」日本人を装った白人男達→人数は多くとも大筒ではないので、物足りなかったらしい
- ID:48「ロッキー山脈のガニマタ群」町の男3人→狂った女達から明瞭に殺すと言われて楽しめるものではない
残ったケースの検討 §
残ったケースについて、詳細に検討してみましょう。
ID:10~11「イエロークリークに風が吹く」ハーロック→保安官の手先 §
トチローの男性自身の堅さを確認した(ID:9)あと、ハーロックの男性自身の堅さを確認した(ID:10)シヌノラは、自分でも抑えられないぐらい興奮していた可能性が考えられます。
しかし、トチローとのプレイは覗きに中断されて不発でした。シヌノラはおそらく行っていません。ハーロックには川の中でちゃんと行かせてもらったと思われます。ですが、シヌノラの大きな興奮はその程度では収まりません。
興奮した肉体は、保安官の手先を誘って犯させてしまった……といった解釈もあり得るでしょう。(別の解釈は「「見ないで」の特異性・シヌノラは見られるのが好きか嫌いか?」に書いた通り)
このケースにおいては、シヌノラ自身が興奮して自分を制御できなくなることを通して、激しい快感を感じていた可能性が考えられます。
ID:16~17「ガニマタ賛歌」カテリーナ、ストライカー、ハードネット §
これは、3分冊版の第1巻の最後のエピソードでもあり、あっさりと流されることの多いプレイ描写の中でも特に念入りに描かれたものと言って良いでしょう。
このプレイには、以下の特徴があります。
- 1) 強制脱衣、視姦、銃による失神、媚薬、3Pセックスとバリエーションが多い
- 2) 長時間継続し、しかもトチロー達が助けに入ることもなく、最後の最後まで継続した
- 3) シヌノラが自分の意志を行使する余地が一切与えられず、ひたすら犯された
- 4) カテリーナの意図はシヌノラに限界以上の快楽を与えて、シヌノラの意志を崩壊させることだったので、「快楽を強制的に与える」という以外の夾雑物(例: 組織への報告や情報収集等)が存在しない
- 5) 更に、カテリーナには、シヌノラに快楽を与えることを通してシヌノラを貶める意図があった
1は、プレイ全体が単調になることを抑止します。
2は、性欲を燃やし尽くすまで完全に完了したことを意味します。(実はトチロー達が助けに入ることが多いため、完全に完了しないケースも多いがこれは違う)
3~4は、シヌノラが快楽の受容だけに専念できたことを意味します。
5は、マゾ気質のあるシヌノラにとっては、むしろ快楽を増幅する方向で機能した可能性が考えられます。
以上から、実際に犯した相手は柔らかい白人男性2名に過ぎないにも関わらず、極めて大きな快楽をシヌノラに与えていたと考えられます。
ID:25「ワイルド・ウタマロ」組織の者達 §
シヌノラは列車内で組織の者達から犯されますが、ここでは単なる車内レイプに止まらないいくつかの特徴が見て取れます。
- 1) 犯されることを半ば予感しつつ自分から車内に入っている
- 2) いつもより胸の露出の多い服を着たシヌノラの胸に銃を突き付ける形で、シヌノラの性的な肉体が強調された
- 3) シヌノラを激しく犯すように叫び続ける老婆がいる
- 4) ドア1枚挟んだ向こう側にトチローとハーロックがいる
1)は少し説明が必要でしょう。白人しか車内に入れないと言われ、車外に乗っていたトチロー達ですが、シヌノラだけは「ミルクでもお飲みになりませんか?」と誘われます。ここで、シヌノラは「あなたたちのミルクの方がいいけど……」と言いながら一人で車内に入ります。ここで、当初「ミルク」という用語は飲料を意味して使われているように読めます。しかし、シヌノラが「あなたたちのミルク」と言った瞬間に、「ミルク」は「精液」の隠語という役割を与えられます。ここで、最初にシヌノラを誘った男がシヌノラに飲ませようとしたのは、飲料としてのミルクではなく、自分の精液であるという可能性が示唆されます。つまりこの時点で、「車内でシヌノラが犯される」という可能性を、シヌノラ、トチロー、ハーロックの全員が持ったことになります。それにも関わらず、シヌノラは車内に入り、トチロー、ハーロックはそれを止めません。3人とも、ただの冗談だと思った可能性もあり得ますが(何しろ他人の目がある公共の交通機関だ!)、可能性がゼロではないことは示唆されていたと見て良いと思います。つまり、この時点で「シヌノラが犯される」という状況は許容されるのだ……という共通認識が3人には成立していたことになります。
2)は、「シヌノラの服はワンピースかツーピースか? シヌノラはパンツをはいているか?」で述べた通り、このエピソードでのみシヌノラが着ている特にセクシーな服を銃で強調することで行われます。おそらく、シヌノラ自身、この服が挑発的であるという認識があり、それを通して自分の淫らな肉体を相手に意識させることは分かっていたのでしょう。それは、シヌノラと相手の男達の興奮を、いつも以上にかきたてた可能性があります。
3)は、同性によってシヌノラを貶める発言が連続していることを意味しますが、それはマゾ気質のシヌノラにとって、むしろ快楽を増幅する方向で機能した可能性が考えられます。
4)は、シヌノラの背徳感をかき立て、それが快楽を増幅させた可能性が考えられます。
しかし、ここでシヌノラは相手から情報を引き出そうと会話を続けていて、快楽行為に集中はしていません。また、途中でトチローとハーロックによって強引に救出されたため、最後までプレイを行っていません。
ID:31「ウエモンの呪い」ポチ §
詳細は既に「カマドネンの飼い犬「ポチ」に犯されたシヌノラは、何を恐れるのか?」で述べた通りです。
抜けないように根本が膨らむペニスによって結合され、人間にはあり得ない長時間ゆっくりと射精する犬との交わりは、人間の女性の心を打ちのめし、男性よりも犬との交わりを望むようになる……とすら言われます。
これが、シヌノラにとって「自分が崩壊するほどの脅威」と感じる大きな快楽であったこと可能性があり得ます。
ID:37「ミス イザナミの乱行」組織の5名 §
詳細は既に「なぜシヌノラは銭湯の5人を殺人組合と嘘をついたのか」で述べた通りです。
5人で同時にシヌノラを犯すという行為は、シヌノラの裏切りを許し、組織に戻ってもらうために差し出された組織からの「お土産」と考えられます。
「お土産」である以上、シヌノラが喜ぶように計算された行為であり、実際にシヌノラは大きな快楽を得ていると考えられます。
ここでの深い分析は割愛します。
このプレイは、5人の同時射精というゴージャスなフィナーレを迎え、完了していたと考えられます。
しかし、その後シヌノラは5人を射殺しています。
ID:38「チカメとクマと女と穴だけの町」女性案内人 §
詳細は既に「シヌノラはレズが本当に嫌いなのか?」で説明した通りです。
シヌノラは、一時的に女性案内人が示す「永遠に快楽の海をただよう」「果てる事のない女の大快楽」を受け入れてしまっています。
しかし、その大快楽はまだほんの入口の段階で、ハーロックによって救出されているため、快楽の深さは「予感」に止まるかもしれません。
ID:42「ベアロックの固い肉」リトルビッグペニス §
これについては「「見ないで」の特異性・シヌノラは見られるのが好きか嫌いか?」でも少し触れています。
リトルビッグペニスは、誘拐したシヌノラをセックス勝負の練習台として、アキたら食うと言っています。この場合の「食う」は性行為の隠語ではなく、文字通り殺して食料にするという意味でしょう。
しかし、「食う」という状況は遠い未来のあやふやな出来事に過ぎず、2人はそれをほとんど意識しません。むしろ、彼はシヌノラを「けっさくな女」と呼び、気に入って様々なやり方で犯し続けます。一方、シヌノラもリトルビッグペニスが持つ「トチローの刀が刃こぼれするほど」固い男性自身と、ひたすら女の身体を味わい尽くす貪欲さに溺れていきます。最後は、リトルビッグペニスから要求されるまま、女性上位で交わるほどにシヌノラはリトルビッグペニスの身体に溺れています。
シヌノラとリトルビッグペニスの関係は、トチローとハーロックが助けに入ったために打ち切られます。しかし、打ち切られるまでの期間に限っても、シヌノラが体験した最長のプレイと言って良いでしょう。長さにおいては、「ID:16~17「ガニマタ賛歌」カテリーナ、ストライカー、ハードネット」も上回ります。
候補の絞り込み §
以上7つを更に検討して候補を絞り込みましょう。
『ID:10~11「イエロークリークに風が吹く」ハーロック→保安官の手先』は、いちばん良いところで邪魔(トチローとハーロック)が入ったため、得た快感という意味では不発という印象もあります。→没
『ID:16~17「ガニマタ賛歌」カテリーナ、ストライカー、ハードネット』は、おそらく最大級の快楽であったと考えられます。
『ID:25「ワイルド・ウタマロ」組織の者達』は、状況としては強烈な快楽を得られそうでありながら、シヌノラは情報収集に注意力を割いてしまっています。最大の快楽とは言いにくいでしょう。→没
『ID:31「ウエモンの呪い」ポチ』は、文句なくシヌノラを最も快楽で追い詰めた事例だと思います。
『ID:37「ミス イザナミの乱行」組織の5名』は、シヌノラに大きな快楽を与えてはいるものの、トチローとハーロックを裏切れという素直には従えない提案を聞かされながらなので、快楽の水準としては最高とは言えないでしょう。→没
『ID:38「チカメとクマと女と穴だけの町」女性案内人』は、すぐにハーロックの救出が入ってしまったので、大きな快楽を得たとまでは言えません。→没
『ID:42「ベアロックの固い肉」リトルビッグペニス』は、シヌノラに大きな快楽を与えたことは間違いないでしょう。
結論・シヌノラが最も快感を得たのはどのプレイか? §
最終的に残った候補は以下の3つです。
- 『ID:16~17「ガニマタ賛歌」カテリーナ、ストライカー、ハードネット』
- 『ID:31「ウエモンの呪い」ポチ』
- 『ID:42「ベアロックの固い肉」リトルビッグペニス』
では、この3つの中で最大はどれでしょうか?
その答はありません。
ここまで来ると、どれが一番という決定的な判断材料がありません。
ただ、シヌノラを最も性的に追い詰めたのはポチ、性的な意味でトチローとハーロックの最大のライバルとなったのはリトルビッグペニスということは言えるでしょう。一方、羞恥心を煽ったり、媚薬を使う等の工夫に優れるのはカテリーナです。
これらは、甲乙付けがたいと言わざるを得ません。
余談・「ひ~っ」と「見ないで」 §
シヌノラが得ている快楽の大きさを判断する尺度として「ひ~っ」と「見ないで」という台詞があり得るかもしれません。
シヌノラの「あの声」としては、主に「Ah」等の「あ系」の音と、「ひ~っ」等の「ひ系」の音があります。この2つは、シヌノラの身体がどこまで追い詰められているかで使い分けられている感じがあります。つまり、「あ系」はまだ余裕がある状態であり、「ひ系」は余裕がない状態です。
ちなみに、「ひ系」の音は、『ID:31「ウエモンの呪い」ポチ』や『ID:42「ベアロックの固い肉」リトルビッグペニス』に見られます。
一方、「見ないで」は、トチローやハーロックに見られる自分を取り繕う余裕のない状況、つまりトチローやハーロックを裏切って相手と本気でやってしまっている状況を示す可能性があります。